私たちの身の回りにはPCやスマホ、テレビなど電化製品に溢れています。
これらが発す磁気というものは、時計にとってはとても危険な存在。
身の回りにある危険を見過ごしていると、思わぬ故障に繋がることも…
どういう点を気をつければいいのでしょうか?
まとめてみました。
Contents
磁気が時計に及ぼす影響
時計は様々な部品で構成されていますが、その多くは金属です。
金属は磁気の影響を受けますと、磁石のようにくっついてしまう性質を持ちます。
これを磁化と呼びますが、時計の部品が磁化すると互いにくっつこうとするため部品の位置がずれたり、動かなくなったりする可能性があります。
特に時計は精密な造りの製品が多いため、少しの磁気が多大な影響を及ぼすと言われています。
テンプの動作などに影響が出て進み・遅れなど精度に狂いが生じる。
搭載するステップモーターが磁石で出来ているため磁気の影響を受け、進み・遅れ・止まるなどの症状が出る。
アナログクォーツ時計や機械式時計は磁気の影響を受けますが、デジタル式の場合は磁気を発する製品に近づけても問題ありません。磁気の影響を受ける部品が無いためです。
気をつけたい身の回りの磁力源
気づかぬうちに近づけてしまうことが多い磁力源には、磁石で閉じるタイプの「財布」や「ハンドバッグ」、「タブレットのカバー」などが挙げられます。
これらには簡単に開かないように強力な磁石が使われています。
また、「携帯電話のスピーカー」は強力な永久磁石のついた板を電磁石で直接振動させて音を出していますし、「マイク」のピックアップに使われている磁石も強力です。
「IHヒーターなどの電磁調理器」は、日常身の回りにある磁力源としては最強のものの一つといえるでしょう。
幸い、磁力の強さは距離が離れるごとに急激に弱くなります。
電気と磁気についての18世紀最大の発見の一つに、クーロンの法則があります。
電気や磁気を帯びた物体の間に働く、斥けあう力/引きあう力は、それぞれの持つ電気の量または磁気の量の積に比例し、また、それぞれの間の距離の二乗に反比例する という法則
この法則によれば磁石からの距離を2倍にすれば、磁気の大きさを4分の1にできるということを意味します。
距離1 cmのときに強さが100だったとすると、距離2 cmでは強さは25、距離5 cmまで放せば強さはわずか4まで減ります。
身の回りにあって、つい近づけてしまいそうになる磁石でも多くのものは5 cm離れていればまず影響ないと言われています。
使っている時計が機械式であってもアナログクオーツ時計であっても、磁力源からは5、6 cm離しておくようにしておくと安心です。
各種機器が発生する磁気の強さと距離
時計を機器に近づけも大丈夫な距離を○、止まりなどの影響が出てしまう距離を×で表している表がありましたので引用させて頂きます。
アンティークの機械式時計は特に注意
昔に比べ今はかなり多くの磁気に囲まれ生活しています。
メーカーも磁気や耐水性を考慮して製造しており、最近の機械式時計であれば多少磁気を帯びるくらいであればさほど影響はないと思います。
しかし数十年前のアンティーク時計など古い時計は、今ほど磁気に囲まれた生活もしておらず技術も高くなかったので磁気に弱いです。より注意する必要があるでしょう。
磁気帯びの時の対処法
もし時計が磁気を帯びてしまったら、磁気抜き作業が必要になります。脱磁と呼ばれており、時計から磁気を抜き取る作業を指します。
家庭でも市販の磁気抜き器を使用すれば脱磁できるようです。
こういったものがあるようですね。
しかし、操作を間違えるとむしろ磁気帯びさせることになるので注意が必要です。
そう頻繁に行うものではないですし、素人が機械をもっていてもあまり良いことにならない気がするのでメーカー・修理店へ依頼するのが良いでしょう。
相場は大体1,000~ほど。
まとめ
磁気を帯びるとどうなるのか、日常のどんなものに近づけてはいけないのか。
便利な世の中になればなるほど、時計にとっての危険は増えていきます。
とにかく磁器を発するものから時計を離す、これに尽きます。
大切な時計を知らず知らずのうちに危険に晒さないよう、気をつけましょう。