自分と同い年、もしくはもっと年上の時計。
状態が良いものは少なく、耐水性や強度も今とは段違いに低く、なのに値段は定価の数倍・数十倍は当たり前…
正直時計に興味を持ってからしばらくは興味なく、現行の洗練された時計にだけ目がいってました。
しかし最近、その独自の魅力に俄然興味が湧いてきてしまい…
その魅力について自分なりに考えてみたいと思います。
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アンティークとは
アンティークとは、ざっくりいうと、「製造されて100年以上経過したもの」と言われています。
これには根拠があり、アメリカの関税法で、100年以上がアンティークという記載があることに由来しています。
ただ、もともと、アンティークはフランス語。
フランスではアンティークはどう捉えられているかというと、古いだけではなく、美術的・芸術的に価値の高いものをさしているようですね。
長い時間を経た、とはどういうことか
どんなものでも長い時を経てきたものには、そこにしか宿らない魅力が出ると思います。
文学、音楽、絵画から果てには家具やデニム・玩具まで。
時間という荒波に揉まれ、その間多くの人の目にさらされ、それでも朽ちず残る。
そのとんでもない荒行を乗り越えてきたモノにしか出せない確かな色気、ともいうべき魅力があります。
その時計にしかない強烈な個性
よーいドンで市場に出た時計たちは、その後様々な人生を歩んでいきます。
●ズタボロに傷がついていく時計。
●炎天下にさらされ続け灼ける時計。
●大切に保管されほぼ日の目をみることのない時計。
例えば同じ10年を過ごすにしても、そのオーナーの人生に寄り添っている時計たちはその影響を多分に受けることになります。
そして過ごした時間がゆっくりと顔に浮かび上がってくる…
同じ時計は一つとしてなく、オンリーワンの魅力を備えている。
その時計のストーリーに思いを馳せてみる。その面白さは現行の時計で体験するには難しいでしょう。
経年変化、傷や凹みすらも味になる
私は時計は常にキレイにしていたい派です。
毎日磨きますし、出来るだけ傷をつけないよう気を使いながら生活しています。
しかし毎日使っていて全く傷をつけないというのはほぼ不可能。
そのたび凹みますし、大きい打痕がつこうものならしばらく立ち直れません…
アンティークウォッチの色気というのは、傷や経年変化にこそ現れるもの。
大切な時計だからこそ、出来ることなら傷も打痕もないほうが良い。
しかしその傷たちが色気となって新たな一面を見せてくれる。
そんなところに惹かれてやまないのです。
他人と被らない
先に述べたように、その時計にしかない魅力を有してるが故に同じモデルでも同じ時計はありません。
現行モデルでは味わえない、自分だけの時計を持ちたい人にはピッタリでしょう。
どんな時計に惹かれるか
文字盤の夜光塗料の劣化、ベゼルの色の変化、文字盤そのもののひび割れなど。
その時計にしかない、枯れ感・フェロモン溢れる時計たち。
これがとんでもなくカッコいいんですよね…。
使い方・気をつける点
当然古いものですから、その扱いには注意が必要です、特筆すべき点はこの3つでしょうか。
水に注意
防水時計でも部品の劣化や時計自体のひずみなど、どこから水が浸入してくるかわかりません。
万が一を考えて大雨の日の使用は控えましょう。
衝撃に注意
製造から年数が経過しているため、些細な衝撃でも部品が壊れたり、ズレたりする可能性があります。
日常使用では大丈夫かと思いますが、スポーツなどは控えましょう。
磁気に注意
数十年前、パソコンや携帯電話などの電子機器が普及していなかった時代。現行品ほど磁器対策をしていなかったため影響を与える可能性があります。
出来るだけ離して使用しましょう。
まとめ
現行品には出せない、枯れ感、色気、オーラ。
長い時間を経てきた独自の色が、それ独自の魅力へと昇華される。
このとんでもない魅力に、一度ハマれば抜けられないかもしれません。