パテックフィリップのスポーツモデル アクアノート トラベルタイム5164Aを購入して、早いもので1年半が経過しました。
この時計を着けてからパテックフィリップというブランドの素晴らしさを実感し、アクアノートの魅力に心底ゾッコンになりました。
そこで、1年半使い倒したこの時計に対して思うこと、魅力を余すことなく色んな角度からまとめてみました。
結構なボリュームになりましたがこの時計の購入を検討されてる方や、興味を持っていた方の参考に少しでもなりましたら幸いです!
前回の購入3か月経過のレビューはこちら。
Contents
基本スペック
- ブラック・エンボス文字盤
- ステンレススチール仕様
- ねじ込み式リュウズ
- サファイヤクリスタル・バック
- 12気圧防水
- ケース径:40.8 mm
- 厚さ:10.2 mm
- ブラック・ポリマーバンド
- アクアノート折り畳み式バックル
文字盤の美しさ
パテックフィリップといえばよく「写真が実物を超えることはない」と言われていますがアクアノートもご多分に漏れずとても美しい文字盤を備え、見ると圧倒される美しさ。ホレボレします。
“ワッフルダイヤル”と呼ばれる格子型の浅い彫りのデザインは光の当たり方によって絶妙に表情を変えて楽しませてくれます。ノーチラスの水平エンボス文字盤とはまた違った魅力的な表情。
HPの説明には「ブラック・エンボス」と記載されていますがアクアノートもノーチラスのように外周に向かって濃くなるグラデーション文字盤となっています。
(HPの画像だと分かりづらいですが写真だと分かりやすいかもしれません)
外周に向かって濃くなる、というのは単純に見た目の美しさだけと思っていたのですが、日常使っているとインデックスの白とのコントラストで時計としての視認性の高さに一役買っていると分かりました。
屋内・屋外ともに全く問題なく文字盤が見やすいです。光の反射によって文字盤の視認性が落ちる、ということもありません。細かいところですが素晴らしいです。
デザイン性
スッキリとした文字盤も好きですが、私はギミックが詰まってるデザインに惹かれがちです。
トラベルタイムのデザインの魅力として、自国と現地(外国)の時間を同時に把握できるデュアルタイムゾーン機構(2つの時針)、昼夜を表示する窓、ポインターデイトなどがあります。
ポインターデイトの箇所、カレンダーサークルの地球儀のようなデザインが大好き。
せっかくあるんだし、とデュアルタイムゾーンの時針を楽しむために私はよく時針をズラして遊んでいますがどうも時間を読み違えがち。
スケルトン時針が自国(日本)の時間を指しているのですが普通だと通常の針を見て時間を把握するのでその感覚が抜けきらず…
だったら使わなければいい、ということなんですがせっかくの機構なので存分に味わいたいものです。
この針、1時間くらいズラすだけだとわかりにくいのですが3時間以上ズラすとさすがに読み違えが減るのでそのくらいにしています。見た目的にもバランス取れててカッコいいと思っています。
人混みの中や満員電車に乗る際、傷つけることを恐れて反対の手で時計をガードするのですがそれでプッシュボタンを押してしまい『あれ?』となることがたまにあります。
私は仕事で海外に行く、ということもなく海外旅行もほとんどしないのでこの機能の恩恵に与ることはありません。別の時計でクロノグラフ機能も満足に使ったことないのでそんなものかなと…。あと海外に行くとしてもこの時計着けていくのが怖いです。
日付表示は面倒だという人もいると思いますが、この時計は4時位置にあるボタンをカチッと押すだけでスッスッと動いて調整可能なので苦になりません。リューズ操作よりも個人的にハードルは低いです。
リューズ操作で日付を合わすのはどうも面倒だと思ってしまう…
トロピカルバンドの着け心地
40.8mmのケースに10.2mmの厚み、重さは約85gほど。
ノーチラスのブレスも着け心地抜群ですがこちらのトロピカルバンドも素晴らしいです。抜群に着けやすく全然疲れません。圧倒的です。
カジュアルさを前面に出しているが故なのか今まで着けたどの時計よりも総合的にバランスが良くストレスフリー。
手持ちの時計はいくつかありますがトラベルタイムが一番登板回数多いです。『迷ったらコレ!』。
ケース径は一般的なサイズですし、厚みもこのくらいの時計は全然あります。ですがこの軽さとトロピカルバンドからくる着け心地が他の追随を許さぬ快適性を実現しているのでしょう。
バックルのこの湾曲部分が手首にフィットしてバンドとの相乗効果で素晴らしい着け心地。
このトロピカルバンド、通常のゴム素材と違ってサラサラしていて全くベタつきません。夏場で汗をかいていても同様なので本当に快適。
過去モデルより文字盤の彫りが薄くなったことに合わせてトロピカルバンドの溝も浅くなってます。このくらいがいいなぁ。
また、柔らかさが場所によって微妙に違うように感じます。根本(ラグ)部分は結構硬く(ラグに固定されてるから硬く感じる?)、中盤は少しソフトに、バックル付近の肉抜きされてる部分は特に柔らかい、という感じ。
(ここは埃がたまりやすいのが玉に瑕ですが普段目にすることがないので別にいいかなと…)
触ってみるとよくわかるのですがクニクニ動きます。
最初自分の腕に合わせてバンドをカットするのですが多少のズレは余裕でカバーしてくれる柔軟性があります。
この柔らかさと時計自体のバランスの良さから腕の中心部から全然ズレず、常にベストポジション。
この素晴らしさに中々気付けなかったのですが、使えば使うほどありがたみを感じます。他の時計ではズレてるのを頻繁に直すこともあったので。
トロピカルバンドの他に素晴らしい点としては、傷をあまり気にしなくていいところ。
そもそも傷つきづらいんですが大きな傷がついた時や万一破損した際は新品に交換してしまえばいい、と割り切っています。
そもそも航空機やF1のボディにも採用されている強度の高い物質で作られているというので破損などはほぼないと思いますが…
トラベルタイムはアクアノート5167Aと違いベルトはトロピカルバンドのみ。もしステンレスベルトがあったらまた違った顔を見せてくれるのでしょうが、この快適さを味わったらもうこれ一択になりそう。
バンドの黒が締まって精悍な印象を与えますし。
ただ一点不満を挙げるとしたら、5168Gなどの色違いバンドを購入できるようにしてほしいです。
黒が締まって精悍、とか言っておきながらなんですがトラベルタイムの顔に青やカーキのバンドつけられたらすごい素敵だと思うんですよね…。社外品も検討したりはしますがやっぱり正規品がいい。
昔は色違いバンドの購入OKだったようなのですが、今はダメ。規則が変わってくれることを祈るばかり…。
ずっと使っていると汗やほこりなどでバックルの開きが鈍くなるのですが洗えば元通りです。私はたまにポリデントに漬けてます。
希少性
購入してからというもの、トラベルタイムをしている人を街で見かけたことは一度もありません。
私は出掛けるのが好きなのと仕事でよく外に出ているので渋谷、新宿、池袋、銀座、日本橋などに頻繁に訪れていますが被りなし。中野でも見たことはありません。(中野にはいると思うのでたまたまだと思います)
そういった意味で被りを気にする方にはうってつけの希少時計?かもしれません。
並行店でもついつい探してしまいますが出てくることも多くない。
手放す人が、というのもあるかもしれませんがそもそも数が多くないのか、いずれにせよ希少性が高いというのは間違いないと思います。
そして個人的にポイント高いのが周りの人に気づかれにくいこと。
SNS上で写真を上げたりしといて何言ってんだ状態ですが、時計好きではない人にリアルであーだこーだ言われたりするのはあまり好きではありません。騒がれたくもないし、あくまでこれは自己満足で持っているもの。
ただ時計好きの人にはとても刺さるので、そういう人には存分にその素晴らしさ、愛を共有しますし、されたいです。
ロレックスなどのメジャーすぎるブランドとはまた別の満足感を味わうのにこれ以上のブランドはないと思います。
傷
アクアノートやノーチラス、あとはオーデマピゲのロイヤルオークなどに言われますが使っていてベゼル部分の傷は避けては通れません。
日常生活で一番使う『手』に着けてるものですからそりゃ傷もついて当然というものですが、最初の方は普通に凹みました。
できるだけ傷つけないように気をつけてはいますが、それで時計を着けなくなるのは本末転倒かな、というのでこのアクアノートはガンガン着けてガシガシ傷ついてます。子供と遊ぶときはさすがに外しますが…。
8角形ベゼルの角部分、サテンとポリッシュの境界線部分が一番傷つきやすいです。
そういうものだと割り切れるか否かがこの時計のハードルを上げるか下げるかのラインでしょうか。
正規店の担当の方に購入時『傷つくのが怖いですね』と言ったら『皆さんそう仰いますが傷も味ですし、ついてくると段々気にならなくなるそうですよ』と仰ってました。そういうものらしいです。自分はまだその域まで到達していません。
バックル部分も結構傷つきます。ベゼル以上に避けるのは無理でしょう。でも正直あまり気になりません。
バンドに関しては上に記載したようにほとんど気にしなくていいかと思います。素材の恩恵か、通常使用のレベルでは目立つような傷はできません。
使っている以上仕方ありませんが傷も楽しめるといいですね。
以下バカな話ですが…
私は左利きなので時計は右手にしており、人が多いところではできるだけ傷つかないよう左手で時計をガードしているのですが、結婚指輪でベゼルに傷をつけた時はさすがに凹みました。本末転倒…
パテックフィリップの入門機として
ブランドで初めに購入する人が多いのがカラトラバかアクアノートのイメージです。
いろんなモデルがありますが、価格と使いやすさなど考えるとアクアノートは最適なのではないでしょうか。
私はアクアノート5167Aは使ったことがないのでなんとも言えないですが、トラベルタイムからパテックフィリップに入った身としてその選択は間違ってなかったと思います。
他にもノーチラス5726やクロノグラフ5172Gを使っていますが一番使いやすいです。何度でも言いますが軽くてストレスフリー!
カジュアルと謳われていますが仕上げの美しさや機構の素晴らしさを随所から感じられますのでブランドのエレガンスさ・魅力を存分に味わえるのではないでしょうか。
裏スケから見る機構の素晴らしさは何度見ても飽きることはありません。外すたび見てしまいます。
ファッション
私は普段スーツを着て仕事をしないので、この時計はとても重宝します。
TシャツGパンのような服装でもバシッと決めてくれます。(気持ち的に)
冬のセーターなり長袖でもカッコよく見えますが、やはりこの時計には夏の半袖が似合います!
かつてインタビュー記事でティエリースターン社長がスーツにトラベルタイムを着用している画像がありましたが、スーツでもハマりそうですね。
街中でウブロなどラバーベルトの時計をしているスーツの方も見るのでスーツ×アクアノートも全然いけそうです。
冠婚葬祭はちょっと考えどころでしょうが…
私はシンプルな服装の方がこの時計のカッコよさが際立つような気がして、アクアノートを着けるようになってからは服装の傾向が変わりました。スニーカーにも拘るように…。
アクアノートを購入して変わったこと
外面的な変化だと上に記載したように服装が変わりました。細かいですが以前Gパンはユニクロなどを好んで穿いていましたが、より質の良いものが欲しいなぁと興味の幅が広がって今ではDENHAMのGパンをよく穿くようになりました。
Gパンも上を見ればキリのない世界かもですがこれも素晴らしいGパンなのでおススメです!
内面的な変化だと、この時計に相応しい人間になろうと振る舞いに気をつけるようになりました。
購入前は「身の丈にあっていない時計を手にしていいんだろうか」と思っていましたが結論から申し上げるとバンバン背伸びして購入していいと思っています。良い時計はいろんな面で良い影響を与えてくれるものだと…。
仕事柄いろんな方にお会いすることが多く、その度思うのですが自信を持って仕事されてる方は魅力的に見えますよね。
それはもちろん自身の実績・蓄積による部分が大きいと思うのですが、この時計は着けていると大切な「自信」をくれる気がします。なんといっても世界一のブランド!
「根拠のない自信」でも「プラシーボ効果」でも全然いいんじゃないでしょうか。それでふんぞり返ったらダメですが…。
他の変化だと時計に対するハードルが上がったように思います。
使えば使うほどこの時計の素晴らしさを実感するので、自分が使う時計に対しての要求が知らぬ間に上がっているように思いました。
色んなブランドの色んな時計を見て、試着してみたりしても「アクアノートあるからいいかな」となってる自分がいます。その時計が悪いとかじゃなく、ホイホイ買うものでもないし購入のハードルが上がったといいますか…。それでも時計欲しい欲は収まらないのが恐ろしいところですね。
まとめ
色々思うところを書き出していったら我ながらすごいボリュームになってしまいました。
私ごときが申し上げるにはおこがましいかもしれませんが全て正直な気持ちです。
間違いなく言えるのは、購入して後悔したことは一瞬たりともありません!本当に素晴らしい時計だと思います。
顔よし、使い心地よし、ストレスフリー!言うことありません。
これからも大切に使いまくりたいと思います。
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